ひとくち健康メモ ≫ 免疫力の強化
今年の夏は、地球温暖化、異常気象の影響か35℃を超える猛暑日が続き、心身共に疲れている方も多いと思います。免疫力を強化し、食事と生活習慣を見直して、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋を満喫しましょう。





     
私達の体には、疲れても又元気になる「回復力」や、菌などをやっつけて身を守る「防御力」が備わっています。この回復力や防御力がすなわち「免疫力」です。免疫力は一定ではなく、生活習慣や心の状態に影響され高まったり弱まったりします。
又加齢とともに衰えますが、同じ年齢の人でも、生活習慣や心の状態によって違いがみられ、個人差の大きいものでもあります。つまり、免疫力は生き方や暮らし方次第で強化させたり、維持回復させる事ができます。
     
私達の体の中で免疫力を支えている主役は血液の中の白血球です。
白血球は体外から侵入する異物を処理して感染症を防ぎます。又体内で生じたがん細胞などの変性物や、糖尿病などの原因になる老化した細胞を処理するなど、あらゆる生活習慣とかかわっています。つまり、免疫力を強化させるには白血球の働きを活性化させることが必要です。白血球を活性化し、免疫力を強化する食品は次のようなものがあります。
ビタミンA・C・Eなどのビタミン類をきちんと摂取することは免疫力の維持と白血球の活動にとって大切です。又植物にはビタミン以外にも、動物が作ることのできない物質(ファイトケミカルという植物性の非栄養素)が含まれています。それが免疫系をほどよく刺激・活性化して免疫力強化につながります。
野菜の中でも特に、含硫化合物(イオンを含む化合物)などに
よって白血球が刺激され、その数が増加し免疫系が元気になります。
特にバナナ・パイナップル・すいかは白血球を活性化させます。


きのこ類にはがんを抑制する効果が
β−グルカンなどの多糖類が多く
含まれています。


海藻特有のヌルヌルしたフコイダンという成分が、
免疫系の細胞を活性化させます。
貝類に含まれるセレンはミネラルの一つです。
セレンには抗酸化作用があり、細胞の酸化を防ぎ、免疫機能を高める
働きがあります。
     
免疫力を高める食品を摂取するほか、自律神経のバランスを保つことも重要です。というのも、白血球が自律神経と相互に作用し合うことが分かっているからです。ストレスがかかり過ぎない暮らし方、かつ適度な緊張感のある生活スタイルが、免疫力強化につながります。
免疫系を担う免疫細胞は毎日何十億という数が死に、生まれていますが、特に睡眠中に多く作られると言われています。睡眠時間が短かったり不規則だったりすると、生活リズムが乱れて免疫系のバランスも崩れます。
笑いには、がんなどの難病にも医学的効果のあることが、様々な研究から分かってきました。欧米では笑いを治療として積極的に取り入れているそうです。自分が笑うだけでなく、他人の笑顔や笑い声でも効果があるそうです。
ストレスは多すぎるとよくありませんが、少なすぎても自己免疫疾患のリスクが高まります。少しぐらい悩んだり、考えさせられることがあるという生活が、適度なストレス状態と言えるでしょう。新しいものに興味を持ち、メリハリのある生活に努めましょう。
運動することと、体を清潔に保つことは、免疫力の維持に必要なことです。楽しい気分が持続できる運動を定期的に行い、リラックスできる入浴時間を持つことが免疫力強化につながります。